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オランダ最先端の施設栽培技術が目白押し!—Horti Contact—展示会レポート

2016年3月イースターの頃から始まった農業研修も、残り約1か月という頃に、この記事を書いている。今回は、2月15日に研修先のボスとボスの息子さんと訪問したHorti Contactという展示会について、お伝えしたい。

 

Horti Contactとは?

今回第14回目を迎える、オランダ園芸・施設栽培に関する展示会である。

約500の出展企業は、大半はオランダ企業で、大手からローカルな企業まであった。この他にベルギー、スペイン、ポーランド、ドイツ、ロシア、イタリア、イギリス、アメリカ、中国の企業があった。

ブースの出展の他に、セミナープログラムもあり、ワーヘニンゲン大学の教授によるティーチングもあったそうだ。参加した人の話では、ティーチング内容はLEDを使用した栽培方法と温室内に入る太陽光の効率化、栽培の難しい作物(バニラ、わさび等)の栽培効率化で、全て英語で行われていたという。

 

 

 

こちらは、ベルギーに本社のあるbiological control とbumble bee(マルハナバチ)のメーカー。Biological controlとは、害虫に対して農薬を用いず、天敵である昆虫などを温室施設内に配置し、昆虫達が仲間を増やして害虫を捕食し、数をコントロールする、というものである。Bumble beeは、イチゴなどの受粉に用いられる。

 

 

 

 

 

下の写真は、育苗(野菜や花の苗を作る)用の資材を作っている会社である。写真右側のトレーの中には、根を保護するための緑色の網状のものが入っている。

LED使用の養液栽培設備を展示していたある企業では、上下段で異なる植物をディスプレイしていた。

Dry Hydroponics B.V.という、水耕栽培システムの企業のブース。写真のように、自社の栽培システム見本を、映像で紹介していた。

あるパッケージ資材企業のブース。どの会社も、段ボールの小箱に詰めた商品の見本、プラスチックパッケージした商品の見本を展示していた。日本では主にプラスチック資材のパッケージや贈答用の箱に入ったような商品サンプルは見たことがあったが、それらからすると、あまり手をかけていないように見える。

 

オランダの種苗会社Rijk Zwaanのブース。

近くにEnza Zadenという別の種苗会社のブースもあり、どちらも自社の品種一覧の小冊子を置いていた。

このように、出展企業は種苗会社、biological systemのメーカー、LED技術、パッケージやポットプランティング資材メーカーの他に生産アドバイザーコンサルタント、ハウス内の散水設備、温室建設、農薬肥料会社などとても幅広かった。約3時間の滞在では回り切れなかった。

昨年6月にアムステルダムで開催されたGreen Techよりは出展企業数は多いが、Green Techの方が来場者の顔ぶれは国際色豊かであった。研修先のボスにその感想を伝えたところ、Horti Contactはオランダ人の来場者が多いそうだ。

 

なお、GreenTechはRAI Amsterdamで開催される園芸分野のプロ向けの国際的な展示会であり、一方Horti Contactはオランダの園芸技術を紹介する展示会であるため、前者は出展者も国際色豊かに、後者はオランダの企業が中心となる。

 

生産者と輸出会社のネットワークで販売力強化 —Van Nature, growers cooperative—

Van Natureのネットワークに加入している生産者の写真。3名のうち右2名は、私の研修先のボスの息子さん2人である。

こちらは、私の研修先の法人が加入している生産者と輸出会社4社をつないでいるVan Natureというネットワーク運営団体のブースである。Van Natureは、現在4つの輸出会社と約100の生産者で成り立つネットワークである。生産者がそれぞれにいずれかの輸出会社に生産物を納めている。農場での研修を通して、前々からこのネットワークの仕組みに魅力を感じていた。

具体的な仕組みは以下の通りである。

 

  1. 加入生産者は、毎年€2,200(=約264,000円 ※€1=120円で計算)を加入費として支払う(5月と9月に各€1,100)これは、保険、パッケージ資材、輸送費等含める。
  2. 農産物の出荷時に、ウェブシステムにどの商品を、どれくらいの量を出荷するか入力し、トラックドライバー用に出荷指示書(納品書)を印刷する。
  3. 2で、ウェブシステムに出荷数を登録した段階で、出荷先の企業はどの商品がいつどれだけ来るのか、把握することができる。
  4. 出荷数は農産物の種類別に積算され、週ごと出荷量を把握することができ、また前週との比較もできる。
  5. 同一品目の生産者同士で年に3~4回のミーティングが開催される。
  6. 販売(出荷)先が確保できる。:オランダ国内のスーパーに限らず、出荷先が確保できる。輸出先国によって検疫などの条件が異なるため、ガラス温室内のトラップ設置等を輸出会社が費用を負担して行っている。
  7. パッケージデザインは、生産者が考える必要はなく、主に出荷先(輸出会社)がデザインしている。
  8. パッケージ資材の発注は、同ウェブシステムに昼の12時頃までに入力すれば、翌日には配送される。

私はこの中でも、特に3、6の点がこの仕組みのメリットと感じている。価格は主に年初に契約単価が定められるが、時によって、他の客先でより良い値段で買ってもらえることもあるそうだ。この選択については、経営者によって異なるのだろう。

 

より詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。

 

Green Tech2016

http://www.greentech.nl/amsterdam//amsterdam/~/media/websites/greentech/grt/documents/grt2016-catalogus-june.pdf

HortiContact

http://booking.evenementenhal.nl/en/horticontact/gorinchem/exposant

Biobest

http://www.biobestgroup.com/

Dry Hydroponics B.V.

http://www.dryhydroponics.nl/index.php/en/home

RijkZwaan

https://www.rijkzwaan.nl/

Enza Zaden

http://www.enzazaden.nl/

Van Nature

http://www.nature.nl/site/en

生産者情報:http://www.versvandeteler.nl/site/nl/wijzijnvannaturetelers

 

 

by
JAEC海外農業研修生として、オランダパプリカ法人にて研修中(2017年3月まで研修予定)。 神奈川県横浜市出身。 東日本大震災の起きた年の3月に東京農業大学農学部農学科卒業。専攻は作物学、環境保全型農業に関して学ぶ。 在学中、NHKBSハイビジョン「コメ食う人々」第一回に出演(番組制作協力)。 2011年4月~2016年1月、東京の(現在は川崎に本社移転)青果仲卸・青果物専門商社に勤務。 メディカルハーブコーディネーター、ジュニア野菜ソムリエ。豆料理、ハーブティー、蜂蜜が好き。 ”I know what I want. I have a goal, I have opinions, a religion and live”(アンネフランク) “To build a future, you have to know the past.”(アンネの父の言葉) アムステルダムのアンネフランクの家で感銘を受けた言葉。